超音波洗浄器の洗浄原理等について
Q:超音波とは?
Q:
周波数について
Q:
周波数と波長について
Q:
超音波洗浄の原理
Q:
周波数と洗浄効果について
Q:
洗浄効果を最大限に発揮させるためには
Q:
洗剤選びのポイント
Q:
各種洗浄剤の応用分野
Q:
洗剤の種類とその特製
Q:
間接洗浄について
 

超音波とは?

超音波とは、普通は「周波数が高くて、人間の耳には聞こえない音波」ということになっています。低い方は30Hz程度、高いほうは20kHz、この間の音が人間の耳に聞こえ、それ以外は聞こえないといわれています。そして30Hz以下の音を超低周波といって、20kHz以上の耳に聞こえない超音波と区別しています。

周波数について

波が1秒間にいくつあるかをその電波の周波数と言います。単位はヘルツ[Hz]です。1Hzの1000倍を1キロヘルツ[KHz]、1キロヘルツの1000倍を1メガヘルツ[MHz]、1MHzの千倍を1ギガヘルツ[GHz]といいます。

周波数と波長について

超音波洗浄器の仕様に超音波を発生させる“超音波発振子”という超音波洗浄器の核になる箇所があります。この発振子の「周波数」が記載されています。ここから発生し水に伝播する波長は周波数に反比例するため、周波数が高くなるほど短くなります。

皆さんがご存知のFM放送と短波放送を比較しますと、FM放送の周波数(80MHz程度)の方が高く、その代わり振幅幅は短くなるため音もクリアーとなります。短波放送は周波数は短く、振幅の幅は長くなるため音も振幅が広く聞きづらい面があります。

超音波洗浄の原理

圧電振動子から振動によって局部的に激しい振動を発生させます。この振動の強さがある限度(限界値)以上になるとそこにCavity(空洞)が発生します。そしてこのCavityがつぶれるときの力を利用して物の表面の汚れを取ろうというのが超音波洗浄器です。

このキャビテーションの大きさが、周波数に関係します。周波数が低いと大きなキャビテーションが発生、一方周波数が高いと小さなキャビテーションが発生します。大きいキャビテーションはつぶれた時、そのパワーは小さなキャビテーションよりも大きいパワーを発揮します。

周波数と洗浄効果について

キャビテーション強度は周波数が低いほど大きくなり、強固な固形物のはく離などの粗洗浄に適しているといえます。反面、キャビテーション強度が大きいことは洗浄物への影響も大きくなり、微生物や薄物の洗浄物では破壊が生じやすく、アルミニウムなどの洗浄物では長時間洗浄した場合には表面にエロージョン(壊食)が発生しやすくなるなど、洗浄物へのダメージも大きくなります。

波長が短いと細孔や細隙内にも超音波は入りやすくなるため、細孔などの洗浄には高い周波数が適しています。小物の洗浄時に網目の洗浄かごを使用しますが、高い周波数ほど透過しやすくなります。

総合的にみれば、低周波は一般洗浄(大型で重量がある、小型でも硬度の高いもの)に適し、高周波は精密洗浄に適しています。

洗浄効果を最大限に発揮させるためには

洗浄物とその汚れに最も適した洗剤を選ぶことが大切です。汚れの種類や程度、処理量や処理時間、洗浄精度など目的に合った洗剤を使用すれば、超音波洗浄との相乗効果で、より効果的な洗浄が実現できます。

洗剤選びのポイント

超音波洗浄用の洗剤としては、有機溶剤、アルカリ洗浄、界面活性剤、乳化洗剤などが用いられます。その目安として考えられる10ポイントを上げてみました。これらを参考に、最適の洗剤をお選びください。

@ 汚れの種類と汚れの程度。

A 洗浄物の処理量と処理にかけられる時間。

B どの程度の洗浄制度が必要とされるのか。

C 洗浄物の材質は何か。洗剤との化学反応の恐れは?

D 洗剤の価格は? ランニングコストは?

E 引火性、毒性の心配は? 変質の問題がないか。

F 洗浄温度は何度まで上げられるか。

G 洗浄物の表面、構造は。形状はどうか。

H 洗浄後の乾燥処理などはどうか。

I 廃液の処理は問題ないか。

各種洗浄剤の応用分野

種  類
適用業種及び洗浄物
特  長

有機溶剤

時計、精密機器及び部品、自動車部品、機械部品、事務機器及び部品、電気部品、半導体、印鑑

脱脂力:大、即乾性、ペーパー洗浄可能、毒性あり

アルカリ洗剤

機械部品、宝石、貴金属、レンズ、ガラス製品、プラスチック製品、事務機器及び部品

脱脂力:中程度、金属・樹脂製品への腐触性:小、排液処理を要する場合がある。

中性洗剤

宝石、貴金属、レンズ、ガラス製品、プラスチック製品、印鑑等

脱脂力:小、金属・樹脂製品を腐蝕しない。

乳化洗剤

自動車部品

カーボン・油脂硬化膜の剥離脱脂性:大水洗性:良、やや毒性あり。

特殊洗剤

印刷機器

印刷インキの剥離脱脂性:大、やや毒性あり。

洗剤の種類とその特製

有機溶剤

油脂、鉱油、ろうなど広範囲の油性の汚れに対して溶解度が大きく、脱脂洗浄剤として優れた洗浄力を発揮します。また、非鉄金属に対する侵食性が少ない点や、洗浄後の乾燥も容易にできるなどの特長も備えています。超音波洗浄では、フロンソルベント、1・1・1トリクロールエタン、パークロールエチレンなどが、よく用いられています。

アルカリ溶剤

動植物性油、水溶性の汚れ、熱処理塩、酸性析出物、無機質の汚れなどに湿潤作用し、汚れの離脱を促進します。低コストの利点もありますが、洗浄後、水洗いが必要です。苛性ソーダ、炭酸ソーダ、珪酸ソーダなどが用いられます。実際の洗浄では、界面活性剤、乳化安定剤、再付着防止剤などと混合して使用されるのが一般的です。M-241N、M-250L、M-251Lを使用しています。

界面活性剤

成分中の親水分子と親油分子が、洗浄物の汚れ、洗浄液の表面に吸着。界面張力を下げることで、湿潤、乳化、分散、可溶化、再付着防止などの作用をします。陰イオン活性剤、非イオン活性剤、両性活性剤などが用いられますが、アルカリ洗剤、乳化剤、有機溶剤と混合して、これらの洗浄能力をいっそう高めるような使い方が普通は行われます。

乳化洗剤

有機溶剤と界面活性剤を混合したもの。油性の汚れを乳化するため、容易に洗浄が可能です。また、油も溶剤も洗い流しが簡単に行え、後処理も比較的楽にできます。乳化性溶媒と二相溶媒が用いられます。

間接洗浄について

間接洗浄とは、洗浄槽の中に容器(ビーカー等)を置き、容器の中に洗浄物を入れて洗浄することを言います。有機溶剤や強酸、強アルカリ性などの薬品をご使用される場合、直接槽の中に薬品を入れて洗浄しますと破損や故障の原因になります。よってこれらの薬品をご使用される場合は間接洗浄をされてください。薬品を容器に入れて、その容器を洗浄槽の液(水)に沈めて洗浄を行うと、超音波が洗浄槽の液(水)を通して容器に伝搬されて間接的に洗浄することができます。

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